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複雑な思いを抱える武島直貴演じた山田孝之さんの演技が涙を誘う！

映画【手紙】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

殺人の罪を犯した加害者（兄）が、被害者家族に手紙を書き続けることが、償いにはなると思い、とてもたくさんの手紙を書いていました。
多すぎではないかと思われる数。
事件を思い出し、被害者家族が苦しめられていることには、気がつかなかったのだろうか？
手紙の内容も、弟のことをかなり書いてあったような記憶があります。

弟の就職先にも社長宛てに手紙を出す兄のお節介のような優しさを感じさせました。
手紙に押印された桜のマークは、それを見て色々な葛藤を生み出しているので、手紙って書かないほうがいいのかなと、複雑な気持ちになりました。

エンディングでは、高い刑務所の塀と満開に咲いた桜の花が、対照的に目に映り印象的でした。

映画を見る前に原作を読んでいて明るい話ではないということが事前に分かっていたので、気持ちに余裕がある時に見ました。

印象に残っているシーンはやはりラストの玉山鉄二と山田孝之です。
弟への謝罪と大切に思う気持ち、兄を許することはできないけど大切に思う気持ち。
二人の気持ちがすごく伝わって切なくて、苦しくなります。

見た後にすっきりしたい、ほっこりしたい気分の時ではなく、考えさせられる映画を見たい時にお勧めしたいです。

兄と弟を繋ぎとめる物の象徴として手紙が主題になっているのはとても良い。
愛する恋人との書簡ではなく、刑務所に入った兄とのやりとりは顔色こそ見えないが故に、飲みこんでしまった様々な思いや感情が交錯するようで見ていて苦しくなりました。

若き山田孝之の抑えた演技と玉山鉄二さんの芯のあるアクトが素晴らしく、冒頭から実際の兄弟以上に見えてくる。
被害者ではなく、加害者とその家族にスポットを当てるのは大胆な試みですが、一生付きまとう罪の意識に揺れ動く中で、見ている側も大きな気づきを得られるような重厚な邦画作品です。