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《あらすじ》
一見素晴らしい試みのように思えるものの、一方的に放り出された形になった家族。
母親は病死し、娘はひとりに。
そんな父親のことを、娘の沙織(柴咲コウ)は許すことが出来ずにいた。
そんな彼女の元を、ひとりの青年が訪れる。
春彦(オダギリジョー)と名乗る彼は、卑弥呼の恋人。
2人の関係の修復を試みた彼は、メゾン・ド・ヒミコでアルバイトしないかと持ち掛けるのだった。

犬童一心監督、渡辺あや脚本の2人が、『ジョゼと虎と魚たち』に続きタッグを組みました。
ゲイだった父親と、そんな父親を認められない娘を中心に、父親が始めたゲイ専用の老人ホームを舞台に、ひと夏の間に垣間見た、さまざまな人々による多様な生き方を、監督独自の感性で描いています。
細野晴臣が実に18年ぶりに音楽を手掛けたことでも話題を呼びました。

化粧気のないヒロインを、柴咲コウがノーメイクで演じ、独特の存在感を表現しています。

映画【メゾン・ド・ヒミコ】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

余命いくばくもないゲイの父親と若い恋人。
それぞれが抱える葛藤と、叶うことない恋心が切ないお話でした。
娘を愛しているがそれを上手く伝えられない父。
父の恋人に惹かれる沙織。
最愛の恋人を失うかもしれない恐怖、沙織を愛おしく思うも女性を受け入れられない春彦をオダギリジョーさんが繊細に演じています。
誰も悪くないのに上手くいかないところにリアリティを感じました。
また、俳優陣がとにかくよい。
田中泯さん、とくに西島秀俊さんの色気がすごかった。

正直に言うとオダギリジョーと柴咲コウが見たいがために鑑賞しました。
しかし、すぐにコレは好きだ!と確信。
家族だからと言って許せないこともある。そんな辛くて痛い現実の中で成長(?)というのか、心境の変化が気持ちよく描かれている。
私はこういった「人間」の映画が大好きです。
理性と欲望が入り乱れながら生きていく「人間」の映画です。
”価値観はそれぞれ”と口に出す人の中で、一体どれだけの人がLGBTに理解があるのだろう。
そんな事も考えさせられる時間でした。
後から「ジョゼと虎と魚たち」や「グーグーだって猫である」で知られる犬童一心監督の作品であると知り「さすが!」と声に出してしまいました。

柴咲コウが演じる沙織がとても魅力的です。
良い意味で人間臭くて自然な表情や演技を見せています。
この映画の中では柴咲コウは沙織を演じるためにノーメイクで出演しているとのことでした。
女優さんとしては勇気のいる事だと思いますが、それもあってとてもナチュラルな表情を見せていると思います。
オダギリジョーの少し影を含んだ感じの演技もあっていますし、複雑な背景の映画ですがスンナリと入っていけます。
ユーモアもありつつ悲しさやシリアスも味わえる映画です。
若い世代に見ていただきたいです。

ゲイの老人ホームの話、とざっくり友人に勧めらて見始めましたが、全然その一言ではおさまらない!みんなそれぞれに生きてきた歴史と愛のかたちがあり、その締めくくりである人生の終末をどう迎えるか、また自分は愛する人の終末をどのように支えてあげるのか、いろいろと考えさせられるストーリーでした。
湘南のちょっとわびしさ漂うラブホの残骸で、気の置けない仲間と過ごすまったりとした日常に、オダギリジョーと柴咲コウの美しさが際立っていました。
ゲイのみなさんの個性といい、視覚的にも楽しめるポイントの多い映画だと思います。

公開年:2005年 製作国:日本 上映時間:131分
《監督》
犬童一心
《脚本》
渡辺あや
《キャスト》
オダギリジョー 柴咲コウ 田中泯 西島秀俊 歌澤寅右衛門 青山吉良 柳澤愼一 井上博一 森山潤久 洋ちゃん 村上大樹 高橋昌也 大河内浩 中村靖日 村石千春 久保麻衣子 田辺季正