映画【彼らが本気で編むときは、】フル動画観るならココ※無料配信情報

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「かもめ食堂」「めがね」などの荻上直子監督による、手掛けたオリジナル脚本の作品です。

新聞に掲載されていた、トランスジェンダーの息子に偽の乳を編んだという母親のエピソードに着想を得て作られたという作品です。

映画【彼らが本気で編むときは、】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

トランスジェンダーの女性と、無垢な子供、二人が織りなす奇妙なようで平凡な絆の物語です。
世間ではまだ特別視されがちなトランスジェンダーを、日常に溶かして描いています。

もし近所にトランスジェンダーの女性がいたら、日常に当たり前にいたら、こんな風なんだろうな、ということが想像しやすい映画です。
この映画を通して、もっとトランスジェンダーが当たり前に受け入れられる社会になればいい、と思いました。
それぐらいに、暖かで柔らかな雰囲気を纏った映画でした。

特に、主人公達が編み物をするシーン、そして焚火をするシーンの、静かなやるせなさは、不思議と心地よく、回答の一つを表してくれているような気がしました。

本当に男性か女性かの違いって肉体的なところだけでなく精神的なところによるものが大きいなと思いました。

あのかっこいい生田斗真くんが綺麗な女性に見えるから不思議です。
自分の心と身体のギャップと戦うリンコの姿を見て、リンコを傷つける人がいない世の中になればよいなと心から思いました。
性の問題について開けっ広げに話し合える関係っていいですね。

最後のトモの選択も間違ってはいなかったと思います。
家族と言うかたちをとらなくても彼らのよい関係が続いていくといいですね。

主要キャストの皆さんが丁寧に好演しており、意義深い内容の作品でしたが、LGBTQといった性的マイノリティの問題に加え、ネグレクト、介護の問題まで盛り込まれており、テーマがやや散漫になってしまっていたのが非常に残念でした。

個人的には性的マイノリティの問題に焦点を絞り、そこについてもっと深く描いて欲しかったです。
またリンコに加え、リンコの母親、パートナーがそれぞれ本当に素晴らしい人だったので、あんな人間になれたら、と心底思いました。

母（親）の愛情に飢えたトモが淋しそうな言動をした時や、リンコとマキオと温かな時間を過ごしていることを実感している表情を見せる度に、胸が締め付けられました。

トモを演じた柿原りんかちゃんの子役とは思えない巧みな演技により、何度も何度も涙が零れました。
比べることではないかもしれませんが親から愛されていないトモと、自分の性に悩みながらも母親の強力な理解と愛情を得ているリンコでは、リンコの方が幸せなのではないかと思います。

家族にはそれぞれの形があり、それで幸福を感じられるのであれば、何よりの幸福なのだろうと実感させられました。

生田斗真さんの演じる性同一性障害の主人公があまりにも自然な女性で、観ているうちにこの人は今までずっとこうやって生きてきた人なんだと信じてしまう静かな存在感に圧倒されます。

何か足りないものがある3人がそれぞれにその怒りを抱え、理不尽を受け入れてしまわずちゃんと生きている姿に胸を打たれます。

同時に、私達は普通に生きている自分以外の存在をこんなにも理解していなかったのか、と悲しくもなりました。
自分の価値観が大きく変わった大切な作品です。