【青山真治監督】映画まとめ｜あらすじ・レビュー・動画配信情報

父親が「雲のようだ」と言っていた娘が、両親の急死後、タワーマンションに叔父夫婦の所有する部屋に住むことになり、高層階＝空という雲の住むべき場所を次第に安住の地にしていくことを素直に祝福できる映画でした。

多部未華子さんが役にぴったり。
でもヒロインが働く地上世界はなかなか厳しい。
彼女は小さな出版社の編集者ですが、後輩が、担当する作家の子を孕んだまま別の男性と結婚します。

ヒロインはその結婚式の帰りに作家が妻と娘と歩いているのを目にしますが、彼らから見られないように姿を隠します。
このシーンはヒロイン自身と作家との特別な関係を暗示しているでしょう。
出版社ずるくない？

（じゃやーなか・57歳・時々アルバイト）

ヒロインの直実を演じた多部未華子さんの喪失感や空虚感を抱えた演技がとても新鮮で良かったです。
ただ、タワーマンションで直実と出会う岩田剛典さん演じるスター俳優の時戸森則の存在は説得力があまりなかったように感じてしまいました。

恋愛を中心に描く作品ならば良かったかもしれませんが、何かを抱えながらもがいている人や少し休んでいる人達に寄り添うような作品として見ていたので、時戸との恋愛シーンが必要だったのか疑問に感じてしまいました。

（まる子・33歳・会社員）

両親の死を受け入れられないまま叔父のタワーマンションに住むことになった主人公の複雑な心情を表情で表すことができる多部未華子さんの演技は素晴らしかったです。

タワーマンションでの優雅な生活と猫と穏やかな暮らす日々は憧れる部分がありますが、その分主人公の心がからっぽな様子が見えてきて悲しい雰囲気の映画でした。

物語の結末は少し分からない部分もありましたが、映像の美しさと多部未華子さんの演技力の高さを感じる作品です。

（SU・30歳・専業主婦）

三浦春馬さん演じる主人公がある仕事の依頼を進める中で、彼を取り囲む幼馴染や、幼馴染の亡くなった恋人の幽霊や、血の繋がってない姉との関係をだんだんと進めていき、人間として成長していく姿を描いています。

すごく大きな事件が起きるわけでもない映画ですが、それぞれがお互いを思いやり、優しい時間が流れる映画になっていて、見終わった後に切なく、でも温かい気持ちになれる作品でした。

三浦春馬さんや東京の公園を散歩する主婦の井川遥さんの姿が美しい映画で、とても心地よい時間でした。

（まい・35歳・主婦）