映画【マチネの終わりに】感想|大人の純愛、人生を狂わす女の怖さも

映画【マチネの終わりに】の感想

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映画【マチネの終わりに】観てきました。

芥川賞作家・平野啓一郎のベストセラー小説【マチネの終わりに】を、福山雅治、石田ゆり子主演で映画化。

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私は原作小説を読んでから鑑賞しました。

小説読了後も映画鑑賞後も、ウットリが止まりません!

そんな映画【マチネの終わりに】の感想レビューを、核心に触れない程度のネタバレも含めつつ、書いていきます。

映画【マチネの終わりに】感想の前に作品情報!

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マチネ”とはフランス語で、朝・午前のこと。

劇場では、昼公演のことをマチネ、夜公演をソワレといいます。

映画【マチネの終わりに】のあらすじ

世界的なクラッシックギタリスト蒔野聡史は、パリの通信社に勤めるジャーナリスト・小峰洋子に出会う。

洋子には婚約者がいたが、薪野はどんどん洋子に惹かれていく。

互いに40代、慌ただしく過ぎていく日常。

蒔野は自身の音楽活動に限界を感じ始めていた。

一方、洋子はテロによる同僚の死をきっかけにパニック障害に。

そんな二人が、東京とパリ、会えない状況ながらも互いへの想いを募らせていく。

二人の関係は進展しかかるが、思わぬ障害が起こってしまい、人生がすれ違っていく。

相手への想いを残したまま、別々の道を歩み始めた二人の愛の結末は……。

映画【マチネの終わりに】のキャスト

公開日:2019年11月1日 製作国:日本 上映時間:124分
監督:西谷弘 原作:平野啓一郎 脚本:井上由美子 音楽:菅野祐悟 クラッシックギター監修:福田進一 
出演:蒔野聡史福山雅治・ 小峰洋子石田ゆり子・ リチャード新藤伊勢谷友介・ 三谷早苗桜井ユキ・ 中村麦木南晴夏・ 小峰信子風吹ジュン・ 是永慶子板谷由夏・ 祖父江誠一古谷一行

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西谷弘監督と言えば、あの【昼顔 】(上戸彩×斎藤工)のドラマ&映画を手掛けた監督さんです。

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西谷弘監督×福山雅治主演映画としては、東野圭吾原作ガリレオシリーズ【容疑者Xの献身 】や、【真夏の方程式 】があります。

映画【マチネの終わりに の感想・レビュー

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映画【マチネの終わりに】

ことはの感想をざっくり3つの観点からまとめます。

【マチネの終わりに】の感想

逢ったのは3回
切なすぎる大人の純愛

 

対照的な二人の女性
主役の洋子、脇役の早苗

 

ギターの音色にうっとり
“幸福の硬貨”

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では、私の感想を、核心に触れない程度のネタバレ・あらすじも含めつつ書いていきますね。

逢ったのは3回!切なくて美しい大人の純愛

蒔野(福山雅治)を担当するジュピターレコードの社員・是永慶子(板谷由夏)の紹介で知り合った二人。

薪野のコンサートの打ち上げに、洋子が同席したことで、二人の距離は縮まります。

洋子が、ある消化しきれない過去の思い出を語った時、薪野は言いました。

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。
だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。」

引用:映画【マチネの終わりに】

洋子は自分の気持ちをわかってくれる人、と蒔野に好感を持ちます。

蒔野と洋子の会話にいまいちついていけないのが、蒔野のマネージャー・三谷早苗(桜井ユキ)。

蒔野に心酔し、蒔野のことを何よりも優先的に考える女性です。

しかし、蒔野と洋子のやりとりにはピンときていない様子。

早苗が質問を繰り返し、二人がそれに答えるほど、薪野と洋子は、初対面にも関わらず、互いのことをわかりあえている感覚に。

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二人の会話を聞いていると、惹かれ合っていく理由がわかる気がします。

アラフォーでもお互いに一目惚れ、なんてことあるんですね。
洋子は婚約者がいるので気持ちを抑えてはいるけど、この夜すでに薪野に心奪われていたのかと。

二人の再会はパリにて。

蒔野は、募らせてきた想いを洋子に伝えます。

「地球のどこかで、洋子さんが死んだって聞いたら、俺も死ぬよ。」

引用:映画【マチネの終わりに】
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会ってたった2回目で甘~い口説き文句?

いえいえ。
そんな薄っぺらいものではないんです。

薪野は東京、洋子はパリ。

すぐに会えない状況の中、最悪なことに、パリで発生したテロに洋子は巻き込まれてしまいます。

薪野は、洋子にひたすらメールを送り続けますが、返信はきません。

安否がわからないまま時は過ぎ、洋子への想いはますます募っていきます。

幸いにも洋子は無事でした。

しかし、このテロで同僚を亡くし、心に深い傷を追いパニック障害に。

そんな洋子を心から救いたい、何があっても洋子には生きていてもらいたい。

蒔野の真剣な気持ちから出た言葉だったのです。

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自分が死んだら、誰かが死んでしまう。
そうであれば、絶対に生きなくちゃ。
って思います。
それが大切な人、愛する人ならなおさらですよね。

「わたし、結婚するのよ、もうじき。」
「だから、止めに来たんだよ。」

引用:映画【マチネの終わりに】

40歳過ぎて婚約者がいる。

子供も産みたいと思っている。

蒔野のことを素敵だな、と思い始めていても、たった2回しか会ってない……。

洋子は迷います。

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20代ならともかく、洋子と同じ年代だったら、私はたぶん無理だなぁ。
あくまでも、「ギタリスト蒔野のファンの1人」と言い聞かせ、忘れようと努力するかも。

まぁ、そこまで運命を感じる人に出会ってないだけかもしれませんが。

洋子は決断、蒔野に会うため東京に向かうのですが……。

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洋子と早苗、二人の対照的な女性

小峰洋子(石田ゆり子)はパリで活躍するジャーナリスト。

時事問題に切り込む社会派で、自分の意思をしっかり持ち行動する自立している女性。

いわば自分が“主役”の人生を歩んでいます。

一方、三谷早苗(桜井ユキ)は、“蒔野の名脇役”になりたいと願う女性。

主役として生きる天才ギタリスト蒔野聡史の人生を、マネージャーとして、また1人の女性として支えたいと思っています。

音楽活動に行き詰まっている、にも関わらず洋子に惹かれていく様子の蒔野。

早苗はおもしろくありません。

洋子が蒔野に会うため東京へ来る、と知った早苗は……。

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浮気、不倫、略奪愛、二股……。
恋愛におけるタブーっていろいろありますが、私は早苗のとった行動には全く共感できないし、許せません。
早苗のようなタイプの女性が一定数存在することは知ってはいますが、うーん、友達にはなれない。

「正しく生きることが、わたしの人生の目的じゃないんです。
わたしの人生の目的は…」

引用:映画【マチネの終わりに】
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早苗が洋子に向かって言ったセリフ。
正直、ドキッとしました。

私も、正しく生きることを目的としてはいませんが、早苗のような人生の目的を持ったことありません。

“主役として生きる洋子 ” の口からも一生出ない“言葉だと思います。

だけど、この言葉が映画の中で一番印象に残っているんです。
自分にない部分だからこそ、心の奥底でどこか羨ましいと思っているのかな……わかりません。

東京で会うはずだった蒔野と洋子。

早苗の行動により二人の関係はすれ違っていきます。

相手のことを思いやるあまり、自分の心を抑えてしまう二人。

その後、それぞれの人生を歩み始めるが、数年後に……。

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若いカップルなら、会わずにはいられないだろうし、自分の気持ちを伝えたり、相手の思いを確かめたりしてるうちに、喧嘩になったとしても誤解はとけたでしょうに。

そうならないのが40代、大人の恋愛なのね…。
めちゃくちゃヤキモキしました。

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ギターの音色にうっとり♪音楽が楽しめるのは映画ならでは

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小説で読んでいてもわからなかった音楽。
映画では満喫できました。

特に「幸福の硬貨」。
あ~、こういう曲なのね、と自分で想像できなくてモヤモヤしてたのを解消してもらいました。

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クラッシックギター奏者を演じるあたり、実際にクラッシックギターを購入した福山雅治さん。

でも、どんどん欲しくなってしまって、映画のギャラ超えの金額をつぎ込んでしまったんだとか!

ちなみに石田ゆり子さんも、「弾ける気がして~」と購入されたそうです。

弾けたのかなぁ?笑

映画【マチネの終わりに】の評価

映画【マチネの終わりに】の評価
ストーリーの面白さ
(4.0)
ハラハラ・ドキドキ
(3.5)
胸キュン
(4.5)
深い
(4.0)
泣ける
(2.5)
役者の演技
(4.0)
ことはの満足度
(4.0)
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あくまでもことは個人の感じた評価を備忘録的につけています。
「違うんだけど?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
どうぞ心広く読み飛ばしてくださいね。^^;

小説【マチネの終わりに】読了、映画を観るか迷っている方へ

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小説を読んで「これから映画観ようかな?」と迷っている方向けに、小説と映画の違い、それぞれの良さなどちょっとだけお伝えします。

これは、“小説原作⇒映画化あるある”ですが、上映時間内に内容を収めるために主人公・脇役ともに設定が少しずつ変わっています。

例えば、洋子はバグダッドではなくフランスで働いている設定。
父親ソリッチ監督とは血の繋がりがありません。

そのため、フィリップやジャリーラとの交流を通して語られるグローバリズム、ソリッチ監督との父娘の関係にみられる深みなどは映画では描ききれていません。

その分、恋愛要素が強めになっています。

また洋子の伊勢谷友介さん演じる婚約者・リチャード。

小説を読んでいなければ違和感ないと思いますが、原作のリチャードとは“そもそも別人”のような印象を受けました。

映画の方がスムーズだったのは2度の偶然。

パリで再会した夜のジャリーラの件。
東京で再会するはずだった夜に、蒔野の師匠・祖父江倒れる⇒携帯忘れる⇒早苗の愚行。

「再会の日に限って、スムーズに会えない事態が、2度も!
偶然重なりすぎ、まぁ、でも物語を転がすためには仕方ないか。」

そう感じていましたが、映画ではなぜかすんなり観えました。
内容は、ほぼほぼ変わっていないのですが……不思議。

「おお、そうしたか」と思ったのは、早苗が自分のしたことを二人に告白するタイミングや描写。

賛否両論分かれそう、ぜひ映画で確認してみてください。

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映画が良かったのは、やっぱり音楽!
役者陣では、主演の2人はもちろん、桜井ユキさん、良かったです。

「三谷早苗、桜井ユキじゃないわー」と観る前は思っていましたが、“美人完全封印”!

自分がイメージしていた“三谷早苗”超えてました!

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映画【マチネの終わりに】まとめ

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「未来だけではなく過去も変えられる」というのがこの映画の一つのテーマとなっています。

今から作れる未来だけを明るいものにしろ、と言われても、積み重ねてきた過去によっては、難しいかもしれません。

でも積み重ねてきた過去も良い方向に変えられるとしたら……。

前向きに生きる後押しをしてくれたように感じました。

映画【マチネの終わりに】こんな人におすすめ!

  • 人を愛することに遠ざかっている方
  • 大人の恋愛がしたい方
  • 美しいクラッシックギターを聞きながらロマンティックな映画が観たい方
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映画を観終わったあとのお化粧室。
2人のマダムが、「余韻がすごい……。」「大人の恋って感じよね~」とうっとりされていました。

素敵な映画、私も観てよかったです♪

小説も合わせて読むともっといい、ロマンティックなラブストーリー、だけで終わらない満足感が得られると思いますよ♪

2 COMMENTS

ヒロ

ツィッターでフォローさせて頂いてますヒロです^_^
感想とてもわかりやすいし、共感しました!!
原作も好きですが、映画もとても感動しました。
お互いの人生観、思想を尊重しながら、距離を超えて愛しあう大人のラブストーリーだと思いました☆
僕もブログで感想書きました♪

返信する
ことは

ヒロさん、コメントありがとうございます。

男性でも映画、よかったんですね。
原作は、いろいろな切り口で重層的に描かれていて、男性ファンも多いと思いますが、映画はどうだろう、とちょっと感じてて。

ヒロさんのブログ、拝読しました!
素晴らしいブログですね、文章も好きです。
再び、小説と映画の感動が蘇ってきましたよ。

そして、「三谷ぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃ。。。。」となりました。(笑)

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