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開始30分で「平民に生まれてよかった?！」と思いました。
上流家庭の”超”箱入り娘である門脇麦さんの役や、良家出身の高良健吾さんの役は非常に窮屈そうで、個人が個人として存在できない重苦しさに、こちらの息が詰まりそうでした。

そして、田舎出身の平民代表として描かれている水原希子さんの役。
東京の”養分”になりつつ毎日を生きる姿に共感！
タクシーで移動する”貴族”と、自転車の”平民”という２人の対比が象徴的で、暮らす階層がこれほどまで自然に彼女たちの価値観を違えているのだという説得感。

それぞれ人生頑張ってもなかなか上手くいかないものだと感じる一方、時に思わぬ方向へと好転する展開にほっこり嬉しくなりました。

使命をまっとうする素晴らしい人生に感激しました。
たしかにこの映画で登場する人たちの生活階層は違うのですが、変な差別観を忘れさせる展開が腑に落ちました。
全ての人が光り輝いているということを示唆しているのでしょう。
つまり生まれて来た役割は違えどすべてが平等と言うことです。

門脇は裕福な階層に生まれていますが、富山県から上京した水原は貧乏そのもの。
高良は議員の家で生きて行きます。
この３者の生き方がみんな清々しいのです。そして静かな感動に涙が出ました。

登場人物それぞれが、生い立ちに悩みながらもみんな丁寧に生きていて、人間らしくて魅力的でした。
美紀の友達でヴァイオリニストである逸子の考え方や生き方が素敵で、女性としてとても強く、私もこうありたいと思えるようなキャラクターでした。

華子を演じた門脇麦さん、美紀を演じた水原希子さん、幸一郎を演じた高良健吾さんがかなりハマり役で、リアリティのあるキャスティングがとても良かったです。

私はこの映画で言うどちら側でもないですが、どんな境遇でも、広い世界を知って丁寧に生きようと思いました。