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2012年に公開された日本映画です。監督は若手ながら数々の国内映画祭の受賞経験を持つ山下敦弘監督です。

映画【苦役列車】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

原作の西村賢太さんが今作を見て酷評したらしいのですが、確かにストーリー全体にまとまりがなく、モヤモヤとしたまま終わってしまったという印象は受けました。
それとも主人公・貫太の鬱屈とした感情を表現するための、あえての演出だったのでしょうか。
その辺は定かではありませんが、貫太が置かれた壮絶な環境と、それによって彼の精神が乱されたという点には、心から納得することができます。
見ていて胸が詰まるようでした。

傍若無人な貫太を演じた森山未來さんの演技が素晴らしく、彼の好演によってこの映画は成り立っていると感じるほどでした。

森山未來の役がクズな男です。
でも、這い上がりたくても這い上がらない状況にいて、かわいそうだなとも思いました。
卑屈なものの見方をして、ひねくれてて、でも友達は欲しいみたいな、そんな主人公に共感しました。
多かれ少なかれ、人にはそういうところ、あると思います。

やっと友達みたいな人ができたのに、その人ともその人の恋人ともうまくいかないとか、ほんと不器用で嫌な男なんだけど、なんか同情してしまう、不思議な魅力がありました。

原作も読んだ人からすると、ちょっと原作とはニュアンスが違うようです。
原作と映画を比べてみるのもおもしろいかもなと思いました。

芥川賞を受賞した私小説が原作になっているということで興味を持ち、鑑賞しました。

見れば見るほど自堕落な主人公に、最初は共感できなかったのですが、だんだんとその人間性が見えてきて憎めなくなりました。

最初のストーリー展開は、よくある話のように思えましたが、中盤からは先が読めなくなっていきました。
こんな経験をしたからこそ、今がある作者に共感できる部分もたくさんあり、最後は感動しました。
キャストの演技も光っていました。

珍しく主人公がとんでもない駄目人間。
人によっては主人公のクズっぷりに見るのが辛くなったりしてしまうかもしれないが、個人的には有り。
と言うか自分が不器用だと思う人、人付き合いがどうしても苦手な人、周りの人間がどんどん出世していって自分だけ置いてかれてると感じてる人が見たら、恐らくこの主人公に早く感情移入出来るだろう。

またストーリー自体が生々しい上に役者の演技が非常に高いなので、より一層見るモノを虜と言うかドン引きさせてくれるのは、色んな意味で見事。

人によって評価は分かれるだろうが、私は人間臭さが強く出てて最後まで見て良かったと思う

原作は未読だったのですが、メディアに露出していた西村賢太さんの魅力に惹かれて視聴してみました。
見ている途中でも、自分にも見に覚えがあるような鬱屈した青春の描写がこれでもかと続き、嫌というほど胸に迫ります。

主演の森山未來さんの演技は素晴らしく、貧乏でダメな青年の有様を、痛々しくもリアルに熱演しています。
00年代以降の閉塞感漂う日本を暗に示唆するような部分もあり、色々と考えさせられる作品でした。

最終的に原作者の西村さんが文学という分野で実力を積み上げ成功したという事実は、最悪の状況にも突破口はあるのだという希望を抱かせてくれます。

落ち込んでいる時にこそ見てほしい作品です。