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「ハイスコアガール」でおなじみの押切蓮介による人気の凄惨なサスペンス漫画を、内藤瑛亮監督によって実写映画化した作品です。

映画【ミスミソウ】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

極端な社会風刺風の映画という印象でした。

いじめというものは、人間に優越感や劣等感、仲間意識といったものがなくならない限りなくならないのだろうと感じさせられました。

子どもは、素直です。
それでいて、優しい存在。家族や友達のことを想い、自分を押し込めてしまった子どもを、どのように救うことができるのか。

最悪の末路を辿らないためには、多様な課題をいかに解決していくかを考えなくてはならないと警告している映画だと思いました。

これぞまさに完全実写化の名に相応しい。
あまりに凄惨で救いのない内容に『精神破壊（メンチサイド）ホラー』と呼ばれた原作を、ほぼまんまやってる。

しかし同じ過ぎて芸がないかと聞かれたら「それは違う！」と即答する。

原作にはない強調された『白』と『赤』、雪と鮮血のコントラストが何とも美しく、思春期の少年少女たちの抱える闇や田舎町の閉塞感を際立たせる。

演じるキャストも嵌り役揃いで、何よりほぼ無名で揃えてきた辺りが内藤監督らしくて良い。
これは原作の押切蓮介先生も大満足ではあるまいか！

原作もあらすじもよく知らず、よくあるいじめられっ子の復讐劇かな？と軽い気持ちで見始めたら大間違いでした…（笑）

いじめのレベルも復讐のレベルも登場人物のどんでん返しも想像以上にハードでグロテスクです。
ですがその内容のグロテスクさに相反して、田舎の雪山に佇む主人公の少女の画になること。雪の白さが少女の美しさを相乗させているようでした。

真っ白な雪、燃え上がる炎の赤、噴き出る血…と色彩の使い方が非常に印象的で映像美としては一種のアートを思わせるものがありました。

もともと原作はかなり陰鬱な話で、映像化に不安もありましたが、映画化するにあたって、すこしライトに描かれていたように感じました。
しかし、抑えるところはしっかりと抑え、強いメッセージが伝わってくる作品になったと思います。

キャストの多くがまだ若いのに、シリアスな演技を完璧に演じていて感動しました。

最初から最後まで重苦しいシーンが続きますが、飽きることなく見終えることができたので、間違いなく良作に入ると思います。