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2017年9月9日公開となった黒沢清監督によるSFサスペンス作品。

映画【散歩する侵略者】を鑑賞した方のレビューをチェック♪

2017年に公開された日本の映画です。
黒澤清監督が劇団イキウメの人気舞台を映画化したミステリアスなドラマです。

とある街を襲った異変によって、侵略者に乗っ取られ全く別の人になってしまった夫に困惑した女性や事件の真相を追うジャーナリストの世界が描かれています。

この映画では、三人の宇宙人が出てきますが、その演技がいかにも人間離れしているところが面白かったです。
夫婦の間映画描かれたり、謎のアクションシーンがあったりいろいろな要素があって楽しめる映画でした。

散歩する侵略者というタイトルや映画の雰囲気が終始静かめなので、不気味な印象を受けながら見ていたのですが、見終わってみると「愛」が映画のテーマの一つなのかなと思えて、心が少し温かくなり良い意味で裏切られた感じでした。

色々な概念を人は持っていてそれが人格に影響を与えていて、その中でも愛を失うとこんなにも変わるのかと、なるほどと思いました。

それから、松田龍平さんの演技がとてもよかったと思いました。
とても静かな演技なのですが、映画が進むにつれて少しずつ変化していく真治を上手く表現されていました。
変化が確実に分かるのに、大げさでなくて違和感のない演技がさすがだと思いました。

概念を奪うという発想は面白いけど、あまりうまく描けてないなって感じがしました。
概念ってものがそもそも映像化できるものではないと思います。

わからないところがあり、オチは何なんだろうということが気になって途中があまり楽しめなかったです。

もともとは舞台劇と聞きました。
小説とか舞台の方が合う話なのかなと思いました。
愛が人間たらしめてるというか、愛がわからないと人間はあんなふうになるんだと思いました。
そこらへんはなかなか不気味でいいかなと思います。

もう少し、オーバーにわかりやすく描いたらよかったのかもしれません。
長谷川博巳、松田龍平、長澤まさみなど豪華キャストが出ているのにもったいない作品だと思います。

SFはあまり観ないのですが、黒沢清監督作品ということでU-NEXTで観ました。

結論から言うと、面白かったです！
松田龍平さんは普段から宇宙人のような不思議な雰囲気なのですが（笑）、前田敦子さんが急に表情が変わって、姉の長澤まさみさんに冷たくなった時、「なんでなんで」って思い、そこから何が起こっているのか、徐々にわかってきたときに、なるほど～と。

真相を追う長谷川博己さんが、高杉真宙さんたちに翻弄される様子もドキドキ。

最後、長澤まさみさんの表情、よかったし、なんとも切なくちょっとホロリとしました。

役者さんたちも豪華で、味わい深い作品でした。

邦画で、宇宙から来た侵略者、のようなSF作品を作る場合、予算もないし、どうしても陳腐なものができがち。

だけどこの作品は、「概念を奪う」という侵略の仕方で、不自然な宇宙人やUFOみたいなものが出てこないから、違和感なく観られたし、むしろ気持ち悪さが増してよかった。

見た目、自分と同じ人間が近づいてきて、自分の概念を奪われてしまったら、そう思うとゾッとする。

終始、不機嫌だった長澤まさみだが、変わってしまった夫といることで、以前より夫婦の愛が確認できていく過程がよかった。

好き嫌いは別れるが、自分的にはおもしろかった。